金融資産を運用することでリスクが発生することを嫌だと感じる人もいるでしょう。保有する金融資産は確かなものであって欲しいと思うのは誰しも同じですが、その価値が株価のように日々変動してしまうことに抵抗を感じてしまうのでしょう。
リスクをできるだけ回避するために
リスクを取っても将来のためには投資した方が有利、もしくはインフレの可能性を考えた場合には多少のリスクは仕方がないとわかっていても、リスクはできるだけ取らない運用をしたいと考えてしまうものです。
この場合にはどのように運用していくことが望ましいのでしょう。リスクを考える場合には、安全性の評価と利回り、そしてリスクへのペナルティの大きさを考えて整理していきましょう。
長期金利の推移にも注意
運用する上で有利か不利を大きく左右するものに金利の推移があります。政府の期待する経済再生ケースでの長期金利の推移は、2016年度1.4%、2017年度1.9%、2018年度2.7%、2019年度には3.4%に達すると予想されています。
例えば10年の債券が利回り1%上昇で1割弱価格が下落することを考えた場合、銀行のバランスシートは安泰でないと言えますのでこの期間に長期の定期預金や利付債券で運用することは好ましくありません。
資金を動かす予定がない場合
例えば個人向け国債の変動金利10年満期型なら、半年単位での変動金利、直近2回分の利払いという部分を払えば、購入1年目以降は元本割れすることなく償還可能です。
将来国債暴落という長期金利が急上昇してしまう局面が訪れたとしても元本割れはなくある程度の利回りを保てるでしょう。
・預金より信用リスクが小さい
破綻する銀行が出てきたとしても、金利負担上昇によって財政の資金繰りが悪化するのはその後になるため銀行の預金よりも信用リスクが小さいと言えます。
ノーリスクで1,000万円以上の運用資金を動かす予定がないという場合には、個人向け国債の変動金利10年満期型が安全な選択肢として考えられます。
近々出入りがある資金を運用したい場合
近い将来使うかもしれない資金を運用したい場合には、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)を検討しても良いでしょう。
証券総合口座専用ファンドとして導入された投資信託で、流動性と安全性を確保するために格付けや残存期間などの運用内容が厳しく制限されている特徴があります。
・1か月複利効果を得ることが可能
高格付けの公社債、CD、CPなど短期金融商品で運用が行われており、株式への投資は一切行っていません。購入後は手数料なしで換金でき、運用実績で利回りが変動する実績配当型の投資信託です。
収益分配金は毎日計算し、一括して月末に再投資するという仕組みのため1か月複利効果を得ることが可能です。
できるだけリスクを取らずに資産運用するには
金融資産を運用するにはどのような形でもリスクをゼロにすることはできません。
しかしなるべく少なくするという方法を実施することで、安全性を保った運用を行うことができるでしょう。