投資信託の中でも毎月分配金が支払われる投資信託が人気を集めているようです。しかし毎月分配金を受取ることができるからお得!と飛びつくのではなく、まずはこの分配金がどのような仕組みで支払われているかを理解しておくことが大切です。
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投資信託の分配金の仕組み
株式や債券といった色々な資産に投資をする投資信託は、運用して得た利子や配当など(インカムゲイン)を受け取っています。
株式や債券は価格が変動しますので、売買によって値上がり益(キャピタルゲイン)を受取ることができる得られる場合があります。
この利益と過去から繰り越しになった利益を合わせたものから、ファンドの決算日に収益分配として投資家に支払われます。
分配金は支払われないこともある?
毎月分配型の投資信託なら預貯金の利息と同じように確実に分配金が支払われると思っている人もいるかもしれません。しかし分配金とは運用による成果の一部ですので、実績次第というところがあります。
多く支払われることもあれば少なくなることもありますし、場合によっては分配金が支払われないこともあります。
分配金が支払われると基準価額は下がる?
投資信託は分配金が支払われると、その分基準価額が下がります。
基準価額を式にあらわした場合、
「基準価額=元本+運用収益部分である分配対象額(繰越利益・利子・配当・値上がり益)」
となります。
分配金は運用による成果の一部ですので、資産を減少させることになるため、運用資産の時価評価額である基準価額を下げることになってしまいます。
・分配金を受け取っても基準価額が下がらないケース
ただし分配金を受取っても基準価額が下がらないこともあります。
株式や債券の市場は日々変化していますので、運用資産が分配金の支払い日に大きな値上がりを見せれば分配金よりも基準価額が高くなると考えられます。
分配金を受け取ることは得すること?
毎月分配型の投資信託は、運用を続けながらその成果を受け取ることができます。生活費の足しや趣味の費用として活用することができるでしょう。
しかし分配金の支払いがあると運用資産を減少させることになりますので、長く運用を続けて資産を大きく増やすことを考えるのであれば分配回数は少ない投資信託のほうが良いと言えます。
しかも分配金の中でも普通分配金には源泉税が課されますので、分配金を受取って全額再投資したとしても税金が引かれた額を再投資することになるため効率的な運用とは言えません。
短期的な値動きにとらわれないことも大切
投資信託はコツコツ積立て長く運用することで高い運用成果を得ることができます。そのため日々変動する基準価額の短期的な値動きにとらわれすぎることは好ましくありません。
定期的に基準価額や資産額の推移などを確認しながら、効率良く運用を続けるようにしましょう。