被害を未然に防ぐために
詐欺的に投資勧誘を行うことによる被害が、高齢者を中心として発生しています。ここ数年で投資詐欺に狙われた人の約65%が60代以上の人です。
元本保証の上、必ず儲かる方法をこっそり紹介しますと巧みな勧誘にうっかりのってしまい、お金を出せば元金の大半は戻ってきません。いざ話しが違うということで勧誘した業者へ連絡を取ろうとしても連絡が付かないという状況に陥ります。
高齢者を中心にうまい儲け話で誘う
平成26年1月から平成27年12月までの約2年間に金融庁に投資詐欺に関して寄せられた相談件数は合計5,431件です。そのうち約4割が何らかの被害を受けたことに対する相談内容になっています。そして平成27年1月から12月までの1年間での相談のうち、全体の約5割以上が70代以上の高齢者であることもわかっています。
注意したい投資詐欺の手口とは
投資話を持ちかけてくる内容には次のようなものがあります。
・未公開株
ある企業株が近々上場する予定なので、今のうちに買っておけば高騰した際に儲けることができるという内容のものです。
・外国通貨
ある開発途上国が、現在進行中の開発プロジェクトで近く経済成長することが見込まれるため、その国の通貨を今のうちに購入すれば値上がりした際に儲かるという内容のものです。
・権利取得
最近話題の自然発電や細胞などに関連する施設や新技術に関しての知的財産権へ投資を勧める内容のものです。
高齢者が騙される巧妙な手口とは
詐欺の内容も巧妙化しており、消費者を騙すために様々な手口を併用して行うこともあります。中には金融庁に届出を行った業者を装い、限られた投資家向けにファンドを運用している業者という内容で信頼感を得て騙そうとすることもあります。また、公的機関などと似通った業者の名称で消費者を安心させようとする場合もありますので要注意です。投資詐欺を見破るポイントとしては次のようなことに注意しましょう。
・金融庁への登録も確認できない業者
幅広く投資家にファンドへの出資を勧誘できるのは、金融庁の登録を受けた業者のみです。金融庁に登録されているかどうかや、警告を受けた業者かどうかについては金融庁ウェブサイトにて確認が可能です。
・絶対に儲けると勧めて来る
投資はどのような商品でもリスクがあります。経済状況によって収益が出ない場合もありますし元本を割る場合もあるので、絶対に儲けるということはありません。
・未公開株、私募債の勧誘
幅広い投資家向けに未公開株や私募債の取引を勧めてくることは一般的には考えられません。
・複数の業者から連絡がある
ある業者に株式や社債の購入を勧められた後、偶然にも別業者からその株式を買うことについてのメリットなどの話があるなど、詐欺にはよく使われる手口です。
不審な投資の勧誘を受けたら相談を!
投資の勧誘を怪しい業者から受けた場合には、くれぐれも慎重に対応して取引などに関わらないようにしましょう。金融庁の金融サービス利用者相談室、もしくは消費者ホットラインなど公共の相談機関を利用することも良いでしょう。