金融用語集

スプレッド
スプレッドとは、2つの証券との間における価格差や、金利差のことです。
また、この価格差や金利差を利用した金融取引を、スプレッド取引やサヤ取りと呼びます。

具体例としては、株式投資を挙げることができます。株式投資においては、東京証券取引所に上場している、ほぼすべての銘柄の株価が上昇する日が、1年間に数回発生します。しかし、すべての銘柄が同じように株価が動くわけではありません。
同じ業種でも、投資家から買われている銘柄と、あまり買われていない銘柄があります。例えば、ビジネス内容や扱っている製品に差異はなくても、PER(株価収益率)が40倍水準まで買われているAという銘柄と、PERが20倍水準までしか買われていないBという銘柄が存在します。
このような状況で、株式市場全体が活気づいているときには、裁定取引が有効に働きやすくなります。つまり、割安な銘柄を買い、割高な株を売ることで、利益をあげることができます。

投資家の心理としては、PERが40倍水準となっている銘柄をさらに買い、PER60倍や70倍まで株価を引き上げたいとは考えません。むしろ、そのような割高な株式については売り時だと判断します。
そして、PERが20倍と割安におさえられている銘柄について、投資家は、いまこそ買い注文をいれるべきだと判断します。大抵の場合、A銘柄もB銘柄も株価は上昇していきます。しかし、上昇率はB銘柄のほうが高いケースが多いため、トータルでは利益を計上できることになります。これがスプレッド取引です。

文責:グランネット

2020年10月末日現在の情報を元につくられております。