金融用語集

EU
EUとは、日本語で欧州連合と訳されるヨーロッパ諸国による、国際的な地域統合体のことです。
EUの前身となるのは1951年のパリ条約によって設立された欧州石炭鉄鋼共同体であり、フランスやドイツのほか、西ヨーロッパの6つの国によって発足しました。
石炭と鉄はどちらも兵器の製造に欠かせないものである事から、共同で管理をする事で各国が勝手に軍備を拡張する事を防ぎ、また利益を分配する事により共同体域内の繁栄を目指したものです。その後、理念を同じくした欧州経済共同体、そして欧州原子力共同体が設立され、これら三つの共同体の運営を円滑化するために統合する流れとなり、欧州諸共同体(EC)が発足します。そして、この欧州諸共同体を基にして、さらに加盟国間の外交司法分野の統合も含めた欧州連合条約が発効し、1993年にEUが発足し今日に至ります。

EUの加盟国は、2020年時点で西ヨーロッパを中心とした27ヵ国となっており、現在も複数の国がEUへの加盟を求めて協議中です。加盟国単体では国際的な経済力は低くとも、EU総体として見た場合にはアメリカに次ぐ経済規模を有しています。EU域内においては政治経済司法安全保障と各分野において、国家の枠組みを超えた統合が図られており、加盟国間における結びつきは強固なものとなっています。また同時に加盟国に対するEUの権限も、他の国際的な地域統合組織とは一線を画すほど強力なものとなっています。
加盟国間の人的移動にパスポートは不要で、また通貨もユーロと呼ばれる単一の通貨を用いており、これらの取り組みによりヨーロッパを単一の経済圏として発展させ、国際的な競争力の向上に寄与しています。

文責:グランネット

2020年10月末日現在の情報を元につくられております。