金融用語集

PO
POとは、50名以上の不特定の投資家に対して有価証券を売り出す行為のことです。企業が新たに株式を発行して、不特定多数の一般投資家に対して応募を呼び掛ける行為が該当します。また、創業者などの大株主が、保有している自社株の一部を売り出し、不特定多数の一般投資家に対して応募を呼び掛ける行為も該当します。

POを実施するときは、企業側は数週間前にはあらかじめ所管の財務局(金融庁)に対して、POを実施する旨の届け出を提出する必要があります。また、事前に証券取引所に対してPOを実施する旨を伝達する必要があります。
さらに、POを実施するときは、会社側は株式の売り出し価格の算定を行う必要もあります。株価算定のコンサルティング会社に依頼して、売出価格を決めてもらいます。ほとんどの場合は、株式を売り出す日の前日の終値からおよそ2%~5%程度を割り引いた数値が、売出価格となります。
そのため、上場企業がPOの実施を発表し、一般投資家からの募集を始めると、ほとんどのケースでは株式購入の応募が殺到することになります。市場価格よりも安い金額で、株式を購入できることを投資家は知っているためです。

このように、企業や大株主にとってPOを行うメリットは、大規模な証券市場においてスムーズに大量の株式を一般投資家に購入してもらえる点が挙げられます。そして、一般投資家にとってのメリットは、市場価格よりも安い金額で株式を購入できることといえます。

文責:グランネット

2020年10月末日現在の情報を元につくられております。