金融用語集

TOB
TOBとは、「Take Over Bit」の頭文字で、日本語では「株式公開買い付け」を指します。
相手企業を買収したり経営の主導権を握るために、相手企業の株式を市場外で買い集めるM&A手法の一つです。

TOBには、買収対象の企業の同意が得られているかどうかにより、「友好的TOB」と「敵対的TOB」に分かれます。友好的TOBの場合、買収される企業の経営陣が経営を続ける場合が多いです。一方、敵対的TOBの場合は、買収される企業の経営陣は入れ替わることが多いため、買収されないよう対策を取ります。

TOBの際、買収を行う企業と買収対象となる企業は、以下のように法令で定められた手順を踏みます。

1.公開買付開始公告と公開買付届出書の提出
初めに、買収企業は、これから公開買い付けを行うことを公告する必要があります。その後、買収価格や買付期間などを決め、届出書を内閣総理大臣に提出します。公開買付届書の提出をもって、売り主や既存株主への勧誘などが可能となります。買付期間は、公告した日から20~60日以内です。

2.買収対象となった企業による意見表明報告書の提出
買収対象となった企業は、公開買付届出書の提出日から10営業日以内に買い付けに関する意見表明報告書を提出する義務があります。意見表明に質問があった場合、買収企業は5営業日以内に、回答を質問回答報告書に記し、内閣総理大臣に提出しなければなりません。

3.株主に対し公開買付説明書の交付
買収企業は、買収対象となった企業の株主に対し、公開買付説明書を交付します。公開買付説明書とは、株主が不利益を被らないよう、必要な事項を記載したものです。

4.公開買付報告書の提出(TOB結果報告)
買収企業は公開買付期日最終日の翌日に、買収結果などを公開買付報告書に記載して内閣総理大臣へ提出しなければなりません。この提出によりTOBが終了となります。

文責:グランネット

2020年10月末日現在の情報を元につくられております。